サッカー スタジアムツアー

リバプールの隠れた名所 グディソンパークツアーでエバートンの魂を知る

スポーツ旅の中でも、新しいスタジアムには行く時は心躍るものです。このブログでもたびたび紹介しています。
一方、新しいスタジアムを使い始める際には、その役目を終えるスタジアムも必ずあります。長い歴史と伝統を積み重ねてきたスタジアムであれば、それを惜しむ気持ちも特別です。
旅行者の立場としては、「行けるうちに行っておいてよかった」という気持ちがあります。

そんなスタジアムの一つが、英国・リバプールにあるグディソンパークです。1892年に建設され、130年以上使ってきたフットボールプレミアリーグ、エバートンの本拠地です。
2020年にスタジアムツアーに参加した時のことを書きます。

グディソンパークへのアクセス リバプール

リバプールの中心部からグディソンパークへの一般的な交通手段は、路線バスになります。路線数が多いのと行き先ごとにバス停も違うので、自分が宿泊しているところからの行き方は、Googleマップを使ってください。支払いは、タッチ決済のできるクレジットカードでできます。これに不安のある方は、私が行った時と同じく、Saveaway Ticketという1日乗車券(£4.60)を買っておきましょう。街の中心地にある、Queen Square Centreの窓口で買えます。この周辺からもバスがたくさん出ています。約20分で着きます。

バスが走っている道路からは、建物の陰になってスタジアムは見えません。若干不安になった頃に、青い巨大な壁が見えてきます。

スタジアムツアーはクラブのホームページから事前予約が必要です。料金は大人22ポンド。
ツアー参加者はメインスタンド側のオフィス出入口から入って受付をします。試合ではない時のこの通りに面した入口は、この一か所しかないので分かるかと思います。

グディソンパーク スタジアムツアーのガイド

私が参加した時は、25人ほどの参加者に対して、おばあちゃんと若手の二名のガイドが付きました。

待合室から、華やかなホスピタリティールームに移り、ゆったりとした環境で、おばあちゃんガイドの話を聞きます。

写真は加工しています

紙芝居のように絵を見せながら、クラブの成り立ち、なぜ、そのシンボルマークを使っているのかや、名選手をスカウトした時のエピソードなど歴史を語ってくれました。ただ、その語り口がすごかった。人の会話を再現したりするので、まさに「語り部」という感じがしました。ツアーにいた子供たちでさえ聞き入ってしまうような雰囲気をつくっていました。

グディソンパーク スタンド 写真

その後、記者会見室に入り、写真を撮ることができました。そのまま、メインスタンドに出てピッチを眺めながら、若手ガイドさんの話を聞きます。まず、建物の歴史を説明してくれます。最初は三方向にしかスタンドがなかったこと、柱で見えにくいところがあるのは、当時の建築技術の問題であること、メインスタンド二階の急な観客席が名物であることなどを知りました。

エバートンは、「初めて○○したクラブ」 

そして、このガイドさんはエバートンがイギリスで初めて○○したクラブというのををズラリと説明してくれました。1000試合出場のように最初に何かを達成した記録もあれば、マッチデープログラムを初めて販売したというような史上初の試みも教えてくれました。

グディソンパーク ロッカールームの写真

この後、アウェーチーム、ホームチームのロッカーを見たり、トンネルを通ってピッチに出るという体験をすることができました。
1892年に建設されて、120年以上使ってきたスタジアムです。新しいスタジアムをいくつも体験している参加者からすると、狭いし、老朽化していると感じてしまいます。

ピッチから戻る通路の様子

ツアーは1時間で終わり、最後に参加証明書をくれるのが面白かったです。

トロフィーがたくさん並んでいるとか、最新の機材に驚くとか、そういうことではありませんでした。伝統を生かし、チームの成り立ちや、これまで成し遂げてきたことをたっぷりと語ってくれるスタイルで、すごく特徴的でした。そして、話を聞きながら、このクラブで働く人たちのプライドを感じることもできました。

エバートンとリバプールFCの関係とは

リバプールFCのアンフィールドのツアーの時に書きました。ここから徒歩15分ほどしか離れていないところにあるアンフィールドおよびリバプールFCと、グディソンパークおよびエヴァートンには独特の関係性があるのです。従って、距離が近いからといって、リバプールのグッズを持ちながら、このスタジアムに来ることはリスペクトを欠いていると思います。

エバートンは2025-26シーズンから、建築中の新しいスタジアムを使い始める予定になっています。その立地は、海沿いでこのスタジアムからはかなり離れています。アンフィールドとの距離感が失われてしまうのは少々残念ですが、また新しい歴史を紡いでいくのでしょう。
グディソンパークの歴史に敬意を表して、ここにスタジアムツアーの様子を書き残しておきます。

メッセージが刻まれた壁

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