2023年に新規オープンしたスタジアム・アリーナを訪れるシリーズ(エスコンフィールド北海道、今治里山スタジアム、オープンハウスアリーナ太田に続く)です。今年5月に、佐賀市にオープンしたSAGAアリーナに行きました。10月から始まったBリーグの2023-2024シーズン、ここを本拠地とする佐賀バルーナーズはB1に昇格して戦っています。
SAGAアリーナへの行き方、アクセス 佐賀駅からバス、徒歩で
佐賀市を訪れる人は、JR佐賀駅に到着することになるでしょう。ここに隣接してバスターミナルがあり、九州佐賀国際空港や福岡空港からのバスも、他の都市からの高速バスもこちらに着きます。
SAGAアリーナへ向かうバスも、このバスターミナルから2番乗り場から出ていて、SAGAサンライズパークというバス停まで約10分で着きます。佐賀市営バスは、全国の交通系ICカードが使えました。180円です。
また、駅からSAGAアリーナへ歩いて行っても、20分ほどです。
佐賀市は城跡や県庁がある駅の南側が開けていて、SAGAアリーナはそれとは反対の駅の北側に位置しています。駅を出て、正面にある幅の広い道をずっと進むだけなので、迷いません。チームのバナーも街灯についています。歩道もは広くて歩きやすいです。
鏑流神社で必勝祈願
途中は地元の人向けのコンビニや飲食店がポツポツあります。一か所、面白いところがありました。鏑流神社(てきりゅうじんじゃ)で、必勝祈願する場所のようです。
見通しがよく、道の先に巨大なシルバーの建物が見えてきます。アリーナの建物は、想像以上に大きいものでした。
SAGAアリーナの外も味わう デッキやショップも
2024年に開催される国民スポーツ大会に向けて整備された複合スポーツ施設の一角となります。アリーナに隣接して、大きな屋内プールと陸上競技場があります。球技場やテニスコート、さらに道路を挟んだ向こう側にもSAGAプラザ(総合体育館)があります。それらがデッキでつながっていて、アリーナの入口も二階にあります。
しかし、すぐにアリーナに入ってしまってはもったいないです。このデッキからの眺めが楽しい。
デッキ部分も含めてジョギングコースにもなっています。子供が走り回れるくらい広々としています。
一階、デッキの下にはコンビニや飲食店が並んでいます。そしてその前に座って食べられるテラスがあります。温かみのある木製で、木の香りもしました。ここで待ち合わせをしている人やコンビニや飲食店で買ったものを食べている人がたくさんいました。
佐賀バルーナーズ 飲食 持ち込み
後から知ったのですが、佐賀バルーナーズのここでの試合では、ペットボトルと水筒に入った物以外の飲食物の持ち込みは禁止されています。従って、買ってきたものはこのデッキで食べるのがいいと思います。もし、テラスのテーブルや椅子がいっぱいになってしまっていても、大丈夫です。デッキの手すりの部分が小さなカウンターになっていて、ここに物を置いて立ちながらしゃべったり、食べたりすることもできます。満員になるようなイベントでなければ、十分なスペースがあるように見えました。
飲食店は試合のない日も開いていて、スポーツを見たり、したりする人ではなくても、広場として楽しめます。
こうした周辺のゆったりしたスペースが、大きな魅力になっています。
SAGAアリーナ テーブル 椅子
ゲートをくぐって、中に入ります。ロビーもかなり広いです。正面がスタンドへの出入り口で、右手に仮設のグッズ売り場、左斜め前に飲食のブースがズラリと並んでいます。ハーフタイムは混んでいましたが、試合前はそんなに並んではいませんでした。
そして、中にもテーブルや椅子、カウンターがいくつもあり、中で買ったものを座って食べられます。
ぐるりと一周してみると、入場口付近は混んでいますが、その他のエリアは割と余裕がありました。それぞれの通路を直角に曲がるところにも、小さな飲食ブースがあります。
通路の部分は、展示スペースにもなっています。まだ新しいので、棚がびっしり埋まってはいません。ここで行われたコンサートやチームに関する記念品が飾られていました。歴史を積み重ねていくと、ここに飾られるモノが増えていきます。
SAGAアリーナ 座席 写真
いよいよ、席に着きます。内装は黒に統一されています。二階席に座りましたが、クッションが効いていて、簡易サブトンを持参する必要はありません。座席の前の通路も余裕があり、人が通る時も体をひねったりする必要は感じませんでした。座席の横幅もやや広く、隣の人がタオルを横に広げて応援していても気にならないくらいでした。
前の人の頭がじゃまにならないくらいの傾斜があります。上の方に行くと傾斜が急になり、見やすさは確保されています。天井から吊るされたスクリーンは圧倒される大きさではないですが、様々な情報を見せてくれます。音響は上から音が降ってくるような印象を受けました。既に大物アーティストのコンサートもいくつか行われていますが、納得です。
佐賀バルーナーズ ファンの応援や演出は
試合中は、MCのリードで、応援が繰り広げられました。
また攻守が変わると、リボンビジョンに英語で指示が出て、音楽も切り替わり、観客は声を合わせて応援します。守る時は「ディフェンス、ディフェンス」と繰り返し、攻める時は、「ゴーゴー佐賀!」と、各1パターンしかないので、初心者でも覚えられます。
こうした場内の演出は、アナウンスや音を聞いて、ファンが素直に従ってやっている感じがしました。相手チームのフリースローの時に「MAKE SOME NOISE」と表示が出て、いわゆるブーイングをするのですが、それも敵意があるという感じではなく、バスケットボール文化の一つとしてやってみている感じでした。
ダンサーのパフォーマンス中など、スタンドにいるファンを巨大なスクリーンに映す頻度が高い。手作りのグッズとか目立つ格好すると、映してもらえそうです。
試合の終盤のオフィシャルタイムアウトの時に一つ面白い演出がありました。海苔の生産量日本一の佐賀県だけに、「海苔のりタイム」と名付けられ、元気よくタオルを上下に振ります、簡単な振り付けなので誰でもできます。スタンドから、選手たちにエネルギーを送ろうという時間です。
SAGAアリーナには、余地がある
8000人以上収容可能なアリーナですが、この日の観客数は4000人ほど。
まだまだ、観客数を増やせる余地があります。観客数を増やすには、様々なイベントを企画をやっていくことでしょう。そうしたイベントを行っていくには、アリーナの内外のスペースを使って、ブースを設けたり、テントを立てたり、ステージをつくったりすることになります。つまり、最初の方に書いたように、アリーナの内外のスペースに余裕があるということは、そこを埋められる何かを生み出していく余地にもなっているわけです。スペースが狭すぎて、どうにもならないという古い体育館も多い中、非常に恵まれた環境と言えます。
佐賀バルーナーズは2018年に創設
佐賀バルーナーズは、Bリーグができた後になる、2018年に創設されたクラブです。あっという間にB1に駆け上がりましたが、まだ5シーズン目で、新しいクラブと言っていいでしょう。そして、日本屈指の大型アリーナを使えるようになりました。競技人口の割には観戦文化が根付いていないようで、このクラブは、バスケットボールの文化を地域に根付かせることを目指しています。地域経済に貢献したり、地域貢献活動もまだまだ始まったばかり。クラブとして伸びていく成長していく余地がたくさんあります。
恵まれた環境を生かして、このクラブがこの街がどんな風に変化していくのか。何度も訪れて確かめるのも、楽しいかもしれません。