サッカーという世界で行われているスポーツを観るにしても、その国、その土地ならではの特色があります。岐阜県は、戦国時代には織田信長らが活躍する舞台となりました。戦の中でもとりわけ有名な、関ヶ原の戦いが行われた場所も、岐阜県にあります。
FC岐阜は、そんな岐阜県をホームタウンとしています。スタジアムに足を運んでみました。
長良川競技場への行き方 アクセス
長良川競技場は、岐阜メモリアルセンターという総合運動公園の中にあります。長良川という美しい川に隣接してある広い施設です。
JR岐阜駅もしくは名鉄岐阜駅から北側へ、バスで30分ほどのところにあります。
JR岐阜駅の北口に出て、11番乗り場からバスに乗ります。試合当日は、同じ11番乗り場から、定期便と臨時便が出ています。運賃は230円。私は「市内ループ線左回り」という定期便に乗りましたが、整理券を忘れずに取りましょう。交通系ICカードも使えます。「長良川国際会議場北口」というバス停で降りました。スタジアムから少し離れたところに着きますが、遠くにスタジアムが見えるので、そちらの方向に向かって歩けば大丈夫です。
試合終了後の帰りの臨時バスは、スタジアムの正面から出て公園の中を直進し、右手に見えてくる岐阜メモリアルセンターという屋内スポーツ施設の前から出ています。道路を渡る手前で橋が左右に分かれているところで、右側の階段を降りるのを間違いないようにしてください。
長良川競技場前の芝生広場で遊べる キッチンカー グッズ売り場
キッチンカーやグッズ売り場は、わりと狭いスペースにびっしりと並んでいます。どの店の前にも行列があるのですが、ごちゃごちゃしていて買うのがちょっと大変で、初めて来た人には少々敷居が高いかもしれません。待つのを覚悟して、時間の余裕を持って行くようにしてください。
ただ、買った後は周囲に座れるスペースもあるので、ゆっくりと楽しみながら食べることができます。
一段高く、丘になっているところに、小さな人工の川も流れていて、ほっと一息つけます。
もう一つの大きな魅力は、野球場との間のスペースがかなり広い芝生広場となっています。ボールを蹴る子どもたちがたくさん見られました。ボールを蹴らない人でも、かなり広々としたスペースを眺めているだけで、そこに立っているだけで、リラックスすることができます。
長良川競技場 スタンドの写真
構造上の理由もあるのか、スタジアムの入口はメインスタンド側に限られています。ホームサポーターは入って左回り。アウェイサポーターは入って右回りに進みます。ゴール裏やバックスタンドには、スタンド上段の幅広い通路を歩いて進みます。ベビーカーも使えるくらいの幅があります。
スタンドは一層式で傾斜は緩やか、比較的小さい陸上競技場です。ゴール裏の上の方は芝生席になっていて、敷き物を持ってきて、ピクニック的に楽しんでいる人たちの姿も見られました。メインスタンドの屋根は小さく、雨や直射日光には弱いです。収容人数は約26000人だそうです。
岐阜城が見える長良川競技場
メインスタンドに入ってみました。向かい側のバックスタンドに、二つの大きな照明塔がたっています。向かって右側の照明塔の後ろに、山が見えます。山が見えるスタジアムは他にもあるのですが、その山の上をよく見ると、お城があることに気づきました。山の上にあるお城まで見えるのは、非常に珍しいことです。
岐阜城です。もちろんこちらは観光名所として有名で、戦国時代には、斎藤道三の居城だったそうです。ロープウェイや車で上がって、資料の展示を見たり、展望台として市内の様子を眺めることができます(観光のホームページによる)。岐阜といえば、美しい山に囲まれ、川が特徴的な街です。
岐阜FCも2023年10月の試合では、日本史の教科書などにも出ている「関ヶ原合戦図屏風」をプリントした限定ユニフォームを着用したことがありました。サッカーに興味のない戦国時代ファンや海外のサッカーファンからも注目されたそうです。グッズ売り場には、同じデザインのタオルマフラーがありました。
また、2019年には、戦国時代に名を馳せた武将と縁がある地をホームタウンとするヴァンフォーレ甲府との対戦を「戦国ダービー」と名付けて盛り上げました。このような企画をお城に見守られるようなスタジアムでやることは、岐阜ならではのシーンです。
古い街並みも一度に楽しめる
FC岐阜は2001年に国体に向けて強化する目的で運営母体が立ち上げられ、2005年から東海リーグに参戦した20年ほどの歴史を持つクラブです。古くから栄えていたこの街では「新参者」かもしれません。
そして、市内には古い街並みや古くからあるお寺も多数あります。そうした街の歴史に触れつつ、サッカー観戦も一度に楽しめるという意味では、日本でも非常に珍しく、海外から来たファンにもオススメです。