広島と言えば、試合の日にはユニフォーム姿のファンが街にあふれるなど、プロ野球のカープが街に根差しています。週末の試合のチケットを入手するのは、簡単ではありません。多くのファンが集まる理由の一つは、2009年に竣工したマツダスタジアム(MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島)のユニークさだと思います。試合の時の体験も素晴らしいのですが、さらに、その裏側を覗けるスタジアムツアーに参加してみました。
マツダスタジアムへの行き方
JR広島駅南口を出て、東側へ歩いて15分ほどです。線路に対して、道路が並行ではないので注意が必要です。なるべく線路に近い道を歩くと間違いにくいでしょう。途中に、特別に赤い色のローソン(コンビニエンスストア)があり、グッズも売っています。
照明塔を見つつ、東横インの前を通過したら、試合の時は左手のスロープを上がると入場口なのですが、ツアーに参加する場合は、右手の歩道を進みます。左側の植木の向こうにえんじ色の壁の建物が見えて来たら、それが球場です。
マツダスタジアムツアーの受付、集合場所
球団ホームページでの事前予約が基本ですが、空きがあれば当日でも参加できます。球場の正面に立って、右手に入場券売り場があり、19番窓口が「スタジアムツアー受付」となっています。事前予約したメールの画面を見せ、料金を現金で支払います。受付開始は、ツアー開始時刻の20分前です。
集合場所は球場の正面の入り口で、受付カウンターにいる人に声を掛けます。左手に大きなグッズショップがあるので、わかりやすいです。
ベーシックコースの内容
私が参加したのはベーシックコース(1800円)でした。コースは大まかに言うと、三塁側(ビジターチーム側)を上から下に降りながら、様々な個所を見学する形です。写真や動画の撮影は、ほとんどの箇所でOKでした。
6階に新しくできたオーサムロッジ(パーティー席)から、なかなか入れない5階のスイートルーム(撮影はNG)やパーティーエリア、4階の記者席、3階のコンコースからスタンドを降りていき、砂かぶり席(バックネットのすぐ近く)に入れます。パーティー席や砂かぶり席など様々なシートに座って、そこからの見え方も体験できます。
三塁側のベンチとロッカールームでは選手たちがどのように過ごしているのかということを聞き、ブルペンでは、バットやボールを使って記念撮影もできます。最後は、レフトポール際からグラウンド内に入れました。
ガイドさんの豊富なエピソードを聞く
訪れる箇所で、ガイドさんが様々なエピソードを語ってくれます。例えば、「ベンチにあるブルペンとのインターホンは、普段はスタンドの声が大きく、ベルが鳴っているのかわからないので赤いランプが光るようになっている。しかし、無観客試合の時に、ベルの音の大きさに驚いた。普段、どれだけ大きな声援を受けているのかというのが、その時にわかった」などと教えてくれます。
他にも、23年プレーした元外野手で3連覇した時の監督である緒方孝市さんの意見で、レフトポール近くのフェンスは柔らかい素材でけがをしにくいようになっていることなども。そのフェンスを触ることもできました。
エピソードを聞くと、建物を見ているのですが、そこにある想いや人の姿がイメージできます。
球場もツアーも、アメリカンスタイル
今回のツアーでも話していましたが、このスタジアムをつくる前に、米国でいろいろな球場を視察して、多彩な楽しみ方があると気づいたことが原点にあります。「ボールパーク」という発想は、今は日本でも当たり前ですが、2009年にできた当初は、バーベキューテラスやネソベリア(寝転がって見られる)、バラエティに富んだ飲食ブースなどで、画期的なものでした。
私はメジャーリーグ球場のスタジアムツアーも6カ所体験していますが(ペトコパーク【サンディエゴ・パドレス】の様子はこちら)、ここのスタジアムツアーは「アメリカンスタイル!」と感じました。ガイドさんの人柄が前面に押し出され、日頃の仕事の中でつかんだエピソードが多く語られ、参加者と積極的にコミュニケーションを取る形だったからです。とても楽しく、印象に残るものになりました。
ツアーが終わったら、二階にあるギャラリーを見ることも忘れずに。
野球好きの方なら、わざわざ訪れる価値大です。