神戸の街を大きく変える可能性を秘めたプロジェクトとして注目を集めてきた「ジーライオンアリーナ神戸」が、2025年4月にオープンしました。Bリーグの神戸ストークスが本拠地とするこのアリーナを、11月のある日に初めて訪れました。
観光が変わるのか。神戸の街に、バスケットボール文化は根付くのか。
そのインパクトを自分の目で確かめたい。そう思って現地に向かいました。
アクセス 三宮駅から徒歩でも
最寄り駅は神戸の中心である三宮駅。JR、阪神、阪急、地下鉄と複数の路線が集まり、どこからでもアクセスしやすい場所です。
駅からは徒歩で約20分。海へ向かって高層ビル群の間を抜けていくと、視界が一気に開けて、アリーナが姿を現します。
この遠くにそびえたつ姿がに気持ちが高まります。歩いて近づいて行く時間も、特別なものにしてくれます。
周辺にはホテルやショッピング施設も多く、スポーツを見る旅には絶好のロケーションです。
また、観光周遊バス「ポートループ」には「アリーナ前」停留所があります。 試合当日には、三宮駅との間を往復する臨時シャトルバス(有料)も運行されていました。
外観の印象 海と空に溶け込むアリーナ
ジーライオンアリーナ神戸は、埋立地の「突堤」と呼ばれる場所に建てられています。
「日本初、海に270度囲まれたアリーナ」というのがアピールポイントです。
背景は、海と空。
建物がくっきりと浮かび上がります。

私が訪れたのは、日没前の光の色が少しずつ変わっていく時間帯でした。
その中でアリーナは刻々と表情を変えていました。
世界的に見ても、これほど写真に映えるアリーナは珍しいでしょう。
おすすめの撮影時間:日没30分前
まずは建物の後ろに行ってみる
初めて訪れる人は、試合開始の2時間前には到着しておくことをお勧めします。
いきなり中に入るのではなく、周辺を歩いてみてください。
これをしないのは、本当にもったいないです。
アリーナ正面から右手に伸びる遊歩道では、犬を連れて歩く人の姿もありました。
そこから右手を見ると、神戸のシンボルであるポートタワーやホテルが並びます。アリーナから見て西側に位置しているため、夕暮れ時はまさに美景です。
海に向かって進むと、小さな広場があり、週末にはイベントが行われたり、キッチンカーが出店しています。

隣のレストランの屋上が展望スペースになっています。この急な階段を登ると、まるで絵葉書のような神戸の風景が広がります。

外でも楽しめるグルメスポット
試合やイベントがない日でも、この風景を見ようと人が集まるのでしょう。
アリーナ外周には1階、2階ともにレストランやカフェが充実しています。
海鮮料理、イタリアン、中華など、バリエーションは豊富。試合前後にも、もちろんゆったりした食事が楽しめます。
珍しい「コの字型」構造
メインエントランスは、2階の正面にあります。
ほとんどの来場者がこの1カ所に集まるので、少し早めの入場が安心です。
中へ入ると、正面にクラフトビールのカウンター。スタンドがちらりと覗けます。

右手には常設のグッズショップがあり、地元企業ユーハイムとのコラボ商品やマスコット「ストーキー」のアイテムがずらり。
グッズ売り場としては珍しく、多くのスタッフが明るく呼び込みをしていて、活気がありました。

館内の通路は、「コ」の字型。
バックスタンド側には飲食店のカウンターが並び、おいしそうな匂いが漂っています。
動線もわかりやすく、初めてでも迷うことはありませんでした。

アッパースタンドから見る、圧巻のスケール
長いエスカレーターを上ると、アッパースタンドへ。
この上の方は、自由席として販売されています。
ここから見るコートと選手は少し遠いものの、1万人収容の空間を味わえるのは、特別な体験です。

上層階にもバーがあり、眺めながらお酒を楽しむ工夫がされています。
試合だけでなく、会場全体の雰囲気を味わいたい人には、この席がぴったりです。
スタンドで感じる選手との距離感
選手やベンチの表情まで見たいなら、2階のスタンドへ。「100レベルNORTHセンター」というブロックが、中継と同じような視点で楽しめる場所です。

距離が近く、シューズのキュキュという音も聞こえます。
壁面のスクリーンはこの高さからだと迫力満点で、試合中は各選手のスタッツが表示され、データでも楽しめます。
観客を巻き込む、応援演出の数々
これほど大きな空間のアリーナでは、一体感を作る工夫が欠かせません。
試合前から応援練習を入念に行っていました。マスコットに合わせてダンスする、ジェット風船を飛ばす、タオルを掲げる――とにかく参加型でした。
相手チームのフリースローの際に"騒いで"連続ミスを誘うと、ドリンクが100円引きになるという"必死さ"もありました。

この日の入場者数は約6,000人。
まだ空席はあったものの、満員になった時の熱気を想像すると、胸が高鳴ります。
神戸の街に生まれた、新しい人の流れ
三宮から徒歩圏という抜群の立地に、1万人規模のアリーナ。
試合やコンサートを通じて、神戸港エリアの人の流れが確実に変わっているでしょう。
かつて5年間、関西に住んでいた私も、神戸のこの地区を訪れたのは今回が初めてでした。
アリーナの中も外も美しく、「神戸らしさ」と「新しさ」が共存していると感じました。
街に「訪れる理由」をつくったジーライオンアリーナ神戸。これからこの地を訪れる人は、きっとさらに増えていくでしょう。
こういう風景に出会えること。心が動く瞬間があること。
スポーツの魅力を見つける旅は続きます。
