長崎では、街を大きく変えるビッグプロジェクトが進んでいます。街の中心にスタジアムとアリーナ、さらにその周りにホテル、オフィス棟、ショッピングモールなどのさまざまな施設を新たに建設しています。「長崎スタジアムシティプロジェクト」と呼ばれています。通信販売で有名なジャパネットホールディングスによる街づくり事業です。新しい施設は、2024年10月14日にオープンと発表され、テレビコマーシャルも流れています。何十年に一度あるかないかの出来事なので、その変わる前に見ておくと違いがわかると思いました。
サッカースタジアムの方は、今年すでに訪れています。今回はバスケットボール、Bリーグの長崎ヴェルカの試合が行われる長崎県立総合体育館に行きました。
2023-2024シーズンからB1に昇格。このタイミングで、日本代表のパリ五輪出場権獲得に大きく貢献した馬場雄大選手が加入しました。全国区のチームの顔ができたところで、チケットを買うのが大変になっています。
長崎県立総合体育館へのアクセス 路面電車 バス
長崎市の中心部は、南北に長く、JR長崎駅から見て、長崎県立総合体育館は北にあります。向かっていく途中には、平和公園や原爆資料館がありますので、初めて長崎に来た方は是非、訪れてほしいと思います。
移動は、路線バスか路面電車がいいでしょう。路線バスの選択肢は複数ありますが、かなり近いところまで行ける路線もあります。いずれも全国の交通系ICカードが使えます。乗った時にタッチして、降りるときにもタッチします。電車は140円、バスは160円です。
私は路面電車を選びました。長崎駅前から3番の赤迫行きに乗り、大橋駅で降ります。ここまで約15分。川を右手に長崎県営野球場を左手に進み、右側にある最初の橋を渡ります。その直後に五差路に出くわしますが、病院が見える方に進み、あとは油木通りをまっすぐ行くだけです。左手にファミリーマートが見えてきたら、もう少しです。道なりに左手に曲がり、進むと左側に体育館への門が見えます。
試合の時には、長崎駅前などから臨時バスも出ています。私は帰りに、直行のシャトルバスを利用しました。長崎は坂が多く、曲がりくねった道を進みます。バスに立って乗る際には手すりにしっかりつかまってください。
長崎ヴェルカ グッズ売り場は完全キャッシュレス
体育館の入口までの間が、イベントスペースとして使われています。両サイドにキッチンカーやブースがあり、数はさほど多くありませんが、ご当地グルメ的なお店も出ています。仮設テントながら、グッズショップもかなり広いです。こちら完全キャッシュレスですので、ご注意ください
長崎ヴェルカ マスコットの様子
マスコットキャラクターのルカが、歩きながらファンと握手をしたり、写真を撮ったりしていました。選手バスも近くで見ることができました。
長崎県立総合体育館をホームにデザイン
一般入場の入口は二階です。入ると中でも飲食物を売っていました。クラフトビールも売っていました。通路の壁際に座れるスペースもいくつかあり、そちらで食べている人もいました。
長崎県立総合体育館 スタンドの写真
スタンドはやや大きめだと思いますが、1994年に完成し、約30年使われている"地域の体育館"という感じです。しかし、通路にポスターを多く貼ったり、テレビカメラが映らない場所にも大きな選手幕を張るなどして、ホームの雰囲気をつくっています。試合前にはスモークも出していて、非日常感を演出しています。
選手紹介の時は暗転して、レーザー光線を多用していました。仮設のスクリーンも2台あって、スポンサーやイベント、試合に関する情報などがたっぷりと提供されていました。
長崎ヴェルカ マスコットが活躍
マスコットのルカの出番が多かったです。試合前はバランススクーター(ハンドルのないセグウェイのようなもの)に乗ったり、応援練習のサポートをしたりしていました。試合中もイベントのお手伝いをしたり、タイムアウト中にはダンスも披露していました。このマスコットは、チームの練習生という位置づけで、バスケットボールだけでなく、お祭りやダンスも好きだそうです。観客はその姿を目で追ったり、手を振ったりしていて、ルカのグッズがたくさん売られているのも、わかります。
公式ダンスチームは女性ですが、いわゆるチアダンスではなくストーリートダンスのスタイルでした。全体的な演出は、驚くような迫力のものはないものの、洗練されていて、そつがない感じでした。
私が行った試合は空席は目立たず、発表された観客数は3760人で、活気がありました。相手チームのフリースローの時に、巨大な顔写真のボードを出して、じゃまをしている人が多かったです。アメリカで見たことがあるシーンでした。
長崎ヴェルカは、新アリーナあってのチーム
冒頭で長崎の街の活性化という位置付けで、新スタジアムや新アリーナの建設が進んでいるという話を書きました。意外と知られていませんが、この長崎ヴェルカというチームは、新しいアリーナを建設することが先に決まっていて、その場所を使うチームとして2020年に新設されました。大企業の資金をバックに強化も進み、あっという間にB1まで上がってきました。
ホームページを見ると、「バスケットを通して、長崎、そして世界に今を生きる楽しさを広げていく」という理念を掲げており、長崎から世界平和のメッセージを伝えるということも決めています。さらにそれを実現する上での、プレースタイルまで定めています。
混乱しながら少しずつつくり上げているというのではなく、目指すところ決めて、一気に持っていっている印象です。
長崎ヴェルカ スタジアムシティはビッグプロジェクト
アリーナも、このチームも「長崎を活性化する」と存在意義が定まっています。
試合当日、長崎駅前ではイベントが行われていて、その一角にスタジアムシティを紹介するブースも大きく展開されていました。流されていた映像によると、キャラバンを組んで県内を周り、告知をしているそうです。
ちなみに長崎スタジアムシティの建設地は長崎駅から徒歩10分。新しいアリーナの収容人員は県立体育館(約5000人)から大きく増えて、8000人になると発表されています。
長崎は観光資源に恵まれていますが、多くは歴史的な財産、平たく言うと昔のものや出来事です。しかし、スポーツチームは、これから先もどんどん変わっていくもの、今を楽しめるものです。スポーツを使って観光以外に地域の活性化を図るという巨大なプロジェクトは、大きなインパクトを生むことになりそうです。
長崎ヴェルカ グッズショップは路面電車の茂里町駅の近くに
路面電車の茂里町駅の近くにV・VAREN PORT オフィシャルグッズストア 浦上店があります。