スポーツ旅の楽しみの一つは、スポーツを観戦することに加えて、その近くの観光地を訪れることではないでしょうか。それに、ぴったりな場所が日本を代表する観光地の一つ、奈良です。
ロートアリーナ奈良は、東大寺大仏殿からわりと近い
東大寺の大仏や興福寺は、日本の歴史の教科書に必ず出てきます。その近くの奈良公園も含めて、修学旅行で訪れた方も多いのではないでしょうか。無論、こうした日本の歴史を感じさせるものは、多くの外国人観光客もひきつけます。
Bリーグ、バンビシャス奈良の本拠地、ロートアリーナ奈良(奈良市中央体育館)が、そのエリアからわりと場所にあるということは、意外と知られていないかもしれません。ちなみに、同じ鴻ノ池運動公園内にあるロートフィールド奈良は、Jリーグの奈良クラブの本拠地です。
私も、今回、観光とセットで楽しんでみました。一つだけアドバイスをするとすれば、大仏などの観光地は昼過ぎから非常に混雑するので、なるべく午前中に行ってしまうのがよいです。試合開始は早くても14時ですから、この距離感なら、その前に行くこともできます。
ロートアリーナ奈良へのアクセス 近鉄奈良駅より
京都や大阪難波から、近鉄電車で到着する近鉄奈良駅を中心に考えるとよいでしょう。京都からは急行で約50分、大阪難波からだと、快速急行で約40分。ナイトゲームの試合後に、大阪や京都に戻ることも可能なアクセスです。近鉄奈良駅から見て、東側に奈良公園や観光スポットの数々、北側に運動公園があります。
近鉄奈良駅から、ロートアリーナ奈良へは、歩ける距離の20分程度。バスですと、13番乗り場から奈良交通バスの加茂駅行き(209番)か、高の原駅行き(115番)に乗り、「鴻ノ池」というバス停で降ります。乗っている時間は、5分ぐらいです。料金は220円。全国の交通系ICカードが使えます。降りる時にだけ、タッチする方式です。
大きな池の向こう側に、アリーナが見えます。オシャレなスターバックスもすぐ近くにあります。
バンビシャス奈良 キッチンカー
ロートアリーナ奈良は、数年で大幅に改装 座席の写真も
建物は、1972年に竣工ということで、50年を超えています。しかし、ここ数年、急ピッチに改装されています。2023年に大型ビジョンを設置。天井の照明もLEDになっていました。これらによって、演出がぐっとやりやすくなったわけです。例えば、選手紹介の際に、場内を暗転し、ベンチから出てくる選手や円陣を組む選手たちにスポットライトを当てるということができます。ビジョンには効果的な映像を流せます。イベントが終わったら、すぐに明るくできるので、進行が妨げられません。
これらは、「企業版ふるさと納税」と言われる仕組みでロート製薬が寄付したとのことです。場内のスポンサー掲示の中でも、その会社だけ、別格の大きさと数になっています。
バンビシャス奈良 応援 マスコット 初来場者でも楽しめる
演出は全体的に、初来場者に寄せていると感じました。まず、ルール紹介の動画をスクリーンで流していました。
また、試合前の応援練習にも力を入れていて、オフェンスが2種類、ディフェンスは1種類。そして、一番多く使われる「ゴー・ゴー・バンビシャス!」というコールを最後に練習していました。振り付けが簡単で覚えやすかったです。
試合に入って、第2クォーターの残り5分を切ったオフィシャルタイムアウトでは、「シャカシャカダンス」という応援がありました。胸の前で手をシャカシャカした後、片手を上げる。これは、初見でもできます。マスコットもやってみせてくれます。応援に関しては、とことんハードルを下げていて、参加しやすくしていると感じました。
奈良といえば鹿 バンビシャス奈良も意識
奈良公園を歩いてみると、本当に驚くくらいの数の鹿がそこらへんを歩いていました。鹿せんべいをあげている観光客も多数いました。東大寺の大仏の大きさには驚くのですが、一方、この奈良公園が広大で、そこで鹿との触れ合いが楽しめるというのは、一般的な観光とは違って、なんとも和む時間を味わえます。
奈良といえば、鹿というイメージは、日本中に浸透していて、バンビシャス奈良も当然そこを意識しています。
そもそも、チーム名がビー・アンビシャス(Be Ambitious、大志を抱け)という英語に、小鹿の「バンビ」を加えたものです。チームロゴは鹿の角がしっかりと入っていますし、チームキャラクターもシカッチと言って、小鹿をモチーフにしています。ちなみに、チーム名、チームロゴ、チームキャラクターは全て奈良県の人が考案しています。
シカッチは会場で人気を集めていました。バスケットボールのデザインのポシェットの中に飴が入っていて、会場を訪れた人に配っているのが面白かったです。グッズも売られていましたし、鹿の角型のカチューシャをつけている人も目に入りました。
バンビシャス奈良 ホッとできる 演出
施設も演出も総合的にあっと驚くようなことや、派手さはありません。しかし、親しみやすいことは間違いないでしょう。エキサイティングなことを求めるだけがスポーツ観戦ではありません。
建物や風景に感嘆するだけが観光ではないと教えてくれる奈良公園の鹿と同じく、どこかホッとできるような親しみやすさも、ここで試合を見る魅力と感じました。