サッカー ミュージアム

青と赤だけじゃない! マンチェスターのもう一つの必訪スポット:ナショナル・フットボール・ミュージアム

 イギリスのマンチェスターと言えば、世界的に知られている二つのビッグクラブがある街です。今、ヨーロッパ最強クラブの一つと言える青いチームと、歴史と伝統を誇る赤いチームですね。
 ぜひ、そのチームの試合を見てみたい、そのスタジアムに行ってみたいというサッカーファンは世界中にたくさんいると思います。私もその一人です。2020年1月に訪れて、試合観戦とスタジアムツアーを楽しみました。

 さらにもう一つ、「ここを見ておいて、本当に良かった」と思った場所が、ナショナル・フットボール・ミュージアムです。イギリスのサッカーを専門とした博物館になります。

ナショナル・フットボール・ミュージアムへのアクセス

 マンチェスターの中心街にあります。マンチェスター・ビクトリアという駅の目の前にあるビルです。Manchester Arndale Shopping Centreという巨大な建物の近く、またManchester Cathedral(マンチェスター大聖堂)からも歩いてすぐです。
 ロンドンなどから鉄道で来る場合、マンチェスター・ピカデリー駅に着きますが、そこからだと北西の方向に歩いて20分ほどです。三角形のガラス張りの外観が特徴的なので、すぐ分かると思います。

 公式ホームページからオープンしている日や混雑具合をチェックできますが、いきなり行っても大丈夫です。事前にネットでチケットを買うと1ポンド安いです。チケットがすべて、1年間に何度でも入れるシーズンチケットになっており、一度休んでまだ来たり、二日間に分けて見ることもできます。

ナショナル・フットボール・ミュージアムは、テーマごとに見せる

 2012年のロンドン・オリンピックをきっかけに現在の場所に移設されたこのミュージアムは、三階建てです。入ってすぐのロビーから大きな展示物や、ボールを蹴れるコーナーがあってワクワクします。

2階のデッキからロビーを

ナショナル・フットボール・ミュージアム 場内の写真

全体として、非常に見やすい、分かりやすい、飽きさせないという印象が残っています。サッカーについて、歴史の順に並べているのではありません。「スタジアム」「ファン」「ユニフォーム」「審判」「監督」「戦術」などテーマごとに区切った形で展示が構成されています。

ナショナル・フットボール・ミュージアム 体験やアートの要素も

そして、貴重な品々を並べて見せるのではなく、体験やアートの要素とも組み合わせ、非常に洗練された見せ方をしていました。

体験というのは、ボタンを押すと音が流れたり、タッチすると映像が流れたり、クイズに答える形です。大人も子供も楽しめるつくりだと思いました。歴史的な場面を思い出したり、記憶に残るようにする仕掛けです。

アートの要素とは、随所にサッカーや選手をモチーフにした絵が飾られていたことです。展示や表示も、デザイン性が高い。印象に残る名言もいくつも掲示されて、理解を深めるのに役立ちました。

マンチェスターでも活躍したあの選手をモチーフに
聖地ウェンブリーに対するペレのコメント

サッカー博物館なのに、代表やリーグにこだわらない

最初のルールを書いた紙、ワールドカップ決勝で使われたボール、古いユニフォームなど貴重な品も数多く並んでいます。サッカー発祥の地ですから、イングランド代表やプレミアリーグの歴史について、大きなスペースを割いて、見せたくなりそうなものです。しかし、それらのコーナーは、決して大きくはありません。

ミュージアムと言えば
代表監督の紹介。ポップなイラストで

協会やリーグ、チームの観点だけではなく、それを囲むサポーターやメディア、ゲームやおもちゃまで扱っていました。障害者やホームレスなど、マイノリティーのサッカーのコーナーまで設けられていました。

雑誌やカードなど

ナショナル・フットボール・ミュージアムだから、サッカー文化を深く広く

ミュージアムだからと言って、展示するだけではなく、子供たちが実際にボールを蹴ったりして楽しめるスペースもかなり多くありました。リフティングをしたり、PK対決をしている場面を見かけました。

古い用具と新しい用具を触って確かめるコーナー

常設展に加えて、期間限定の企画展も行われていました。3階建てで全部を90分ぐらいで見られますという話だったのですが、私自身は2時間以上もたっぷりと滞在してしまいました。それぐらい学びになることが多かったのです。

古いボールやトロフィーを並べたり、代表チームの歴史を詳しく見せるよりも、このミュージアムの見せ方、伝え方の方がむしろ、サッカーの母国の凄みを感じさせるものでした。マンチェスターまでサッカーを見に行こうというくらいの熱意がある人なら、きっと心をくすぐられるはずです。

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