スタジアムツアーに参加するのが大好きなのですが、日本国内で常設で行われているところは、数えるほどしかありません。行けるところから、行けるタイミングでどんどん行った方がいいですよね。
実施されている一つが、日産スタジアム(横浜国際総合競技場)です。72327人収容と日本最大のスタジアムで、Jリーグ横浜Fマリノスの本拠地になっているほか、サッカーやラグビーの国際試合、コンサートなどもの会場にもなります。そこでは、スタジアムが主催して、1ヶ月に4回ほどスタジアムツアーが行われています。
正式なツアー名は「Yokohama Final Stadium × 3 STADIUM TOURS」と言います。開催日の10日前から1日前までに申し込む事前予約制です。
https://www.nissan-stadium.jp/tour/
私もサッカー観戦などで10年以上、毎年のように訪れている場所なのですが、今回スタジアムツアーに参加してみて、知らなかったことを知り、見られなかったものをたくさん見ることができました。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場)へのアクセス
新横浜駅から徒歩15分ほどです。新横浜駅には、新幹線も停車します。JR在来線、横浜市営地下鉄、そして2023年3月から相鉄線、東急線も増えました。
特に地下から地上に出てきた時に、自分がどちらの方角を向いているのか、確かめてください。あとは、矢印でスタジアムの方向を示す看板が通りにいくつも建っていますので、それに沿っていけば大丈夫です。道のりは碁盤の目という感じになっています。橋を渡るとスタジアムはもうすぐです。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) ツアーの集合場所
スタジアムツアー参加者の集合場所は、この丸い建物の中。左手にある幅の広い階段を上がって行き、建物に入って右手に受付カウンターがあります。定刻出発できるよう、10分前集合をお願いされています。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) ピッチの下に
ツアーの冒頭、一見ただの駐車場に見える場所をわざわざ覗き込みます。
スタジアムは、実は広い遊水池の上にあります。雨がたくさん降って、川が増水した時に水を逃がす場所です。そのため、ピッチは実は三階にあるということを初めて知りました。
このことが、海外にも知れ渡った日があります。ラグビーワールドカップ日本大会、日本対スコットランドがここで行われた2019年10月13日です。記録的豪雨をもたらした台風19号が直撃し、日産スタジアムの1Fの遊水池は、約80センチの水かさになっていたそうです。
開催が危ぶまれましたが、芝生の改良をしていたため、ピッチの水はけは良好。あの日本にとって歴史的な一戦の感動が生まれました。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) 照明とスピーカー
ツアーの序盤はバックスタンドに出て、建物の特徴を主に説明してくれました。実は、照明や音響設備の質も高く、屋根の下には数多くの照明とスピーカーが見えました。照明は一つ一つ、明るさ、角度、色を変えることができると聞き、驚きました。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) バックスタンドの写真
サイドスタンドの方に歩いていくと、今度はネーミングライツの話をしてくれました。2005年から日産と契約しました。更新を重ねて、現時点で2026年2月まで継続することになっています。ここから、先ほどまでいたバックスタンドを眺めると、くっきりと文字が浮かんでいます。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) ロッカールーム、ミュージアム、展示品
メインスタンドの方に回ってくると、スタジアムツアーも山場を迎えます。
まずはロッカールーム。
一つは、ラグビーワールドカップの開催時をイメージして飾られています。当時のハイライト動画も、ロッカーのシートに座りながら見られます。
もう一つは、サッカーワールドカップ2002年の決勝で、ブラジルが代表が使った時の様子が再現されています。
壁に書かれたサインがそのまま保存されています。作戦用のホワイトボードに書かれている内容も面白かったです。これを知って訪れる、ブラジルからの来訪者も結構多いそうです。
世界を感じられるロッカールームでした。
東京2020オリンピックのサッカー日本代表のサインを見つつ、通路を進んでいくとで、メインエントランス付近に出ます。
そこはまるで財宝館。小さなミュージアムというか、企画展示コーナーになっていました。
サッカー(マリノス、日本代表、W杯関連など)、ラグビー、オリンピックに関するものがずらりとショーケースに並んでいます。コンサートを開いたアーティスト(乃木坂46、ミスチル、藤井風)の記念品もありました。
どれも写真は撮り放題。正直、ここにもう少し長い時間いて、もっとじっくり見たかったです。
階段を上がって、試合に向かう選手のような気分を味わったのも良かったです。改めて、スタジアムの大きさを感じました。
更に、メインスタンドを上がっていって、VIPシートに座らせてもらえました。試合のチケットでは決して入れないところなので、本当に特別な体験になりました。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場) ガイドはボランティア
ツアーのガイドは、普段のイベント時にボランティアとして働いている方です。展示物の説明に加えて、サッカーの試合の時に、こんなことがあったという個人的な体験も聞かせてくれました。ボランティアに支給されるウェアやシューズのお話もしてくれました。それらが展示されている場所もありました。
私が参加した時には、メキシコからの旅行者が一緒で、ガイドさんは日本語と英語を交えながら、ハツラツと一生懸命説明してくれました。試合の時のボランティアさんの感じと言ったらいいでしょうか、おもてなしの気持ちが伝わってきました。
私がスタジアムツアーを体験するのは、ここが通算34か所目でしたが、ボランティアがガイドを務めているのは初めてのケースでした。他ではスタジアムもしくはチームの職員が業務の一部としてやっています。それらとは、かなり違った雰囲気でした。
日産スタジアム(横浜国際総合競技場)は、日本最大、世界唯一
このツアーのネーミングにあるように、日産スタジアムは、世界で唯一大きな国際大会の決勝を三つ(2002年サッカーW杯、2019年ラグビーW杯、2021年東京オリンピックのサッカー競技)行った場所です(サッカーとラグビー両方のワールドカップ決勝会場になったのは、スタッド・ド・フランスに次ぐ二例目)。
日本最大、そして世界唯一のスタジアムとしては、ちょっと控えめな紹介のツアーだと感じました。スポーツの熱烈なフアンには、少し物足りないかもしれません。
しかし、建築物してのインパクト、お宝満載のエリアで写真撮り放題、さらにはボランティアのガイドのおもてなし。これらを総合すると、大人1000円の入場料は安すぎです。スポーツがお好きな方が、横浜観光の際に少し足を伸ばして行ってみる価値は十二分にあります。